イマサラ聞けない

聞きたいけど「イマサラ」聞けないことを考えてみた

本当に 2019年卒は「売り手市場」なのか?

   

求人倍率を見てみると、来春2019年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.88倍と、前年の1.78倍より0.10ポイント上昇しており、企業が採用したい人数でいえば38.1万人の新卒が足りていない。
さらに中小企業では求人倍率9.91倍の過去最高となり、採用難が加速している状況といえる。

※「大卒求人倍率の定義」求人倍率=求人総数÷民間企業就職希望者数
大卒求人倍率(以下求人倍率)とは、民間企業への就職を希望する学生1人に対する、企業の求人状況を算出したもの

出典:第35回 ワークス大卒求人倍率調査(2019年卒)

しかし本当に 2019年卒の就職活動は「楽勝」なのだろうか?
ここ3年の従業員規模別、求人倍率を見てみたい。

300人未満の中小企業は「売り手市場」を体現したかのように求人倍率が跳ね上がっているが、300人以上5000人未満の中堅企業は横ばい、5000人以上の大企業にいたっては減少する始末。
この時点で大学生のほとんどが志望するであろう大企業への就職は以前難関で楽勝とは程遠い状態といえる。

※「ほとんどの大学生が志望する」の意味には就活を始める前の大学生の大半が大企業しかしらないという状態を含む。
※しかし日本の企業の99.7%(432.6万社)は中小企業、従業者数でいっても69%が中小企業勤務。

ここでもう一つのデータである業界別求人推移を見てみたい。


業種5区分の内訳

業界の括りが大きいため実感とのズレはあるがやはり業種によって求人倍率には大きな開きがある。

株式会社ディスコ調査の「2月1日時点の就職意識調査」の中にある「現時点の志望業界」を見ると全体的に情報・インターネット、文系では金融、理系では製造が人気であるとわかる。

人気業界はいずれも求人倍率があまり高くない業界である。このことからも志望する業界・企業から内定を獲得するのは容易ではないといえるだろう。

数字だけ見れば確かに「売り手市場」で規模や業界を選り好みさえしなければ内定を獲得するのは簡単といえるだろう。

実際に大学生の採用に関して取材させていただいた中小企業の経営者や人事部の方からは「そもそもとして学生の応募がない」、やっと応募があり面接してみても「自分の名前がいえない」「目があわず会話が成立しない」「単純な四則演算ができない」といった「本当に大学生か?」と疑問に思うような学生が多くいるという声が多くあった。
またやっといい人材がきて内定を出しても他の企業にいってしまうという。

取材の中であるカーリペアの経営者の方が「もう元気よく挨拶ができて、会話が成立すればうちでは内定です。」と苦笑いを浮かべて話していたのが印象に残っている。

「どこでもいい」「なんでもいい」という学生にとっては最高の状況であるが、真剣に仕事と人生を考えて就職活動をしている学生にとっては以前より内定獲得が厳しいのが現実といえるだろう。

しかし大企業を含め採用側も採用難だと危機感をもっており、学生の質も低下していると感じているのも本当である。

就職活動には正解がなく、長期に及ぶためついつい後回しにしてしまいがちになるが、できるだけ早い時期から「企業が欲しくなる人材としての質を高める」「自分にとっての優良企業を増やす」この2つをおすすめしたい。

この2つの具体的な方法については機会があれば書きたいと思う。

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